こんにちは、grandstreamです。
僕は2023年3月〜9月までカウンセリングを受けていました。
そこで今回は、カウンセリングを受けるに至った過程と、カウンセリング自体がどのようなプロセスで進んでいくのかをまとめてみたいと思います。
今現在メンタルに問題を抱えていて、カウンセリングを受けてみたい、興味がある、といった人の参考に少しでもなれば幸いです。
カウンセリングを受けようと思ったきっかけ
うつ発症のきっかけ
僕はメンタル疾患を抱えています。症状としては、うつ、不安症、焦燥感、ヒステリー球などがあげられます。(今はだいぶ良くなっています。)
なぜメンタル疾患を患ったのか?話は今から約3年前、2020年末まで遡ります。
僕は大学時代にバックパッカー旅行で初めて海外に行ったのですが、大きく価値観を揺さぶられ、それ以降「いつか海外移住したい!」という思いを持っていました。
そのため、新卒で入った会社を2年半で辞め、その後、フィリピンに半年間、語学留学に行きました。
当初の予定では留学の後、海外を少し放浪して、そのままシームレスに海外就職をしようと思っていました。しかしながら時はコロナ禍。
自由に海外旅行できなかったのはもちろん、海外就職するにしても、日本人向けの海外求人がほとんど無く、日本への一時帰国を余儀なくされました。2020年6月のことでした。
そこから約5ヶ月後、ついに転機が訪れます。
僕が興味を持っていたフィリピンのとある外資系企業から求人が出たとの知らせが、転職エージェントからありました。
さっそく応募してみることに。
見事、書類審査を通過!その後、12月初旬に初めてのオンライン英語面接がセッティングされました。
そして面接当日、悲劇は起こります。
面接直前になり、緊張感が込み上げてきて、酷い吐き気に襲われてえずいてしまったのです。胃の中身はでませんでしたが、ヨダレが出るわ、涙が出るわ、呼吸困難になるわ…自分でも一体何が起こったのかわかりませんでした。
確かに、「緊張やプレッシャーでえずくことがある」事自体は知っていました。実際、僕の中学時代の友人で、体育祭の応援団長をやっていた人が、応援発表の直前にその重圧から、吐いていたという話を耳にしたこともありました。
でもまさか、自分にそれが起こるとは。。。
それで、面接はどうだったかというと、涙目になりながらもなんとかやり遂げ、後日、一次面接通過との連絡がありました。
問題は次の最終面接でした。
もう、当日の朝から吐き気とえずきが止まらないのです。
面接の時刻が近づくにつれ、その症状は強まるばかり。Youtubeでネコの動画をみたりして気を紛らわせようと試みましたが、無駄でした。
そして、このままでは、まともに面接の受け答えができないだろう…と感じた僕は、面接を辞退するという、苦渋の決断をしました。
数年来、思い描いていた海外に移住するという夢、未来が吹き飛んだ瞬間でした。僕の人生から希望の光は見えなくなっていました。
その直後からうつの症状が出始めました。。
長くなりましたが、以上が、うつ発症の経緯です。
それ以降、心療内科でもらった薬を服用しつつ、日本でどうにかこうにか仕事を見つけ、体調は快方に向かっていきました。
もう一度、海外就職に挑戦したい!
うつ発症から2年半、体調が回復してくると、再び「海外にチャレンジしたい」という思いが芽生えてきました。
しかしここで、問題なのは、またあの悪夢を経験するのではないか、という恐怖です。
つまり、「海外就職面接で、吐き気がして、えずいて、またもや辞退せざるを得ないのではないか?」
ということです。僕はこれをなんとかして乗り越えたかった。
そのためには、なぜこうした症状が起きるのか?根本から見直す必要があると感じました。
そこで、カウンセリング、、に思い至ったというわけです。
カウンセリングの概要
では、前置きが長くなりましたが、カウンセリングがどのようなプロセスで進んでいくかをまとめてみたいと思います。
なお、これは僕自身の体験談であり、全員が全員、同様のプロセスで進んでいくとは限りませんので、あくまで参考程度でとどめていただきたいと思います。(実際、僕のカウンセラーさん曰く、各カウンセラーさんによって、アプローチ方法が全く異なるとのことでした。)
※ちなみに、僕が利用したカウンセリングは1回45分、8800円でした。保険が適用されないのでお高いです。それから基本的には週一回受けることが望ましいようです。僕の場合、金銭的に厳しかったので隔週にしてもらいました。
◯カウンセリングの流れ(僕のケース)
以下の4ステップに分かれます。
- 相談したいこと、乗り越えたい悩みについて話す(1回)
- 家族、親戚の人物像や彼らとの関係で記憶に起こっている出来事などを話す。(2~3回)
- 自分の幼少期から現在までの生い立ちを話す(5~6回)
- 上記をもとに、なぜそのメンタル症状が出ているかを明らかにしていく(6回)
1.相談したいこと、乗り越えたい悩みについて話す(1回)
初回は僕が、先述したような、うつに至った経緯について話しました。また、海外就職面接に挑むと吐き気に襲われてしまうことが僕の悩みであり、それを乗り越えて海外就職したい、と話しました。
→これに対し、先生は、「あなたが海外に行こうとすると、吐き気・えずきという形であなたを逆に引き止めているように見える」との見解でした。
2.家族、親戚の人物像や彼らとの関係で記憶に起こっている出来事などを話す。(2~3回)
さて、ここからは、僕が一体どういう人物なのかという情報を与える段階に入っていきます。
まずは、家族や親戚がどういった人物だったか、また彼らとの印象深い出来事などについて詳しく聞かれました。
母親、次に父親、姉、妹…といった感じで、親族一人ひとりに関して、僕が覚えている限りのエピソードを語っていきました。
カウンセリング中はほとんど僕が話し、時々カウンセラーさんから質問が来る、といった形でした。
ちなみに、カウンセラーさんは、パソコンでカタカタと僕が喋ったことの要点メモ(おそらく)を取るといったスタイルでした。
3.自分の幼少期から現在までの生い立ちを話す(5~6回)
一通り、全親族について、彼らがどんな人だったかを語り終えたら、次は僕自身の生い立ちについて話していきました。
文字通り、僕が覚えている限り昔からの生い立ちを話しました。
それこそ、まだ母親のお腹の中にいたときの記憶とか…。
そして保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、社会人、現在まで。
すべて、僕が覚えている印象深いエピソードをひたすら話していきました。全部で5~6回ぐらいかかったと思います。
4.上記をもとに、なぜそのメンタル症状が出ているかを明らかにしていく(6回)
このステップが本題です。
これまで僕が話した情報をカウンセラーさんが総括し、僕が育ってきた環境にどのような特徴があるかについて見解を話していただきました。
ここからは、その情報をもとに、対話を深めていき、深層心理に迫っていきます。
僕がカウンセラーさんに言われたのは、おおまかに次の2点です。
- 家族との関係が非常に希薄。家庭内にどこか不自由な感じが漂っている
- 長男だから家を継がなければいけない、というイエの重みが相当なものだったのでは?
このような特徴を、僕の生育環境から導き出してくださいました。
僕はこれに対し、いや、そこはちょっと違うんじゃないかとか、たしかに両親とはあんまりコミュニケーションを取らないですね、とか、家父長制についてはこう考えているとか、いろいろなことを話しました。
なお、ここでカウンセラーさんが明らかにしようとしているのは、「なぜ僕が海外に魅力を感じているのか?」「僕が海外に行こうとすると発作が出る、僕を引き止めているモノの正体は何なのか?」ということです。
対話の末、たどり着いた「答え」は次のようなことでした。
Q. なぜ僕が海外に魅力を感じているのか?
家族、特に幼少期に母親に十分甘えられなかったことに加え、日本社会に漂う閉塞感、同調圧力、風通しの悪さ。こういったものとは真逆にある、暖かい世界、風通しの良い世界、人間味を感じられる優しくゆるい世界に魅力を感じているのではないか。だから東南アジアに移住したいと思っているのではないか。
Q. 僕の海外挑戦を(えずき発作によって)引き止めているモノは何なのか?
日本はもういやだ、暖かくて優しい世界に出ていきたいとはいっても、「日本を捨てる」ことに抵抗があるのではないか?日本には親友が少なからずいる。僕が海外に出て、彼らと全く違う人生を歩むことに対する不安感、孤独感があるのではないか?それがまさに、僕の海外移住を無意識に引き止めているのではないか?(マイノリティーとして生きていくのは孤独。)
カウンセリングの意義
カウンセリングの本題に入ったとき(先述のステップ4)、先生は重要なことを口にしていました。
すなわち、「あなたの海外渡航を引き止めているモノが何なのか、その原因が意識(言語化)できれば、それは悩みに変わる。悩みに変われば、身体症状は出なくなる」ということです。
言い換えると、自分が何に悩んでいるのか、原因がわからないから、体が別の仕方で(身体発作という形で)抵抗しているのだということです。
これは非常に興味深い話だと思いました。
実際、僕のえずき発作は以前に比べて少しマイルドになっている気もします。
カウンセリングって意味あるの?
カウンセリングを受けて良かったか、意味があるのか?について最後にまとめてみます。
結論から言えば、受けて良かったし、意味があったと思います。
箇条書きで、何がどう良かったか整理してみます。
- 自分の生い立ちをじっくり振り返る機会が得られる
- 自分の生い立ちが、現在の自分の行動に与えている影響がわかる
- 対話を繰り返すことで、自己理解が深まる
- 自己理解が深まると、メンタル症状を俯瞰して見られる様になり、症状が沈静化する
- もやもやがなくなり、頭がスッキリする
ちょっと抽象的になってしまうが、このようなことが挙げられると思う。
考えても見てほしい、日常生活で、延々と自分語りをできるシチュエーションがあるだろうかと。
自分はこんなふうに育ってきて、こんな悩みを抱えていて、それを解決したいと思っている…などと。
その点、カウンセラーさんはひたすら聞き役に徹してくれるうえ、時折、僕が持っている考えに客観的な視点を投入してくれる。
こうした対話を深めていくことで、自分でもあまり意識していなかった自分が見えてくる。無意識の自分が少しずつ見えてくる。
こんな話を聞いたことがある。人は、自分自身の5%しか意識できていない。残りの95%は無意識下にある。そして無意識が自分の行動を大きく左右している。
つまり、カウンセリングというプロセスを通して、無意識に抱いていた自分の思いが、少しずつ意識できるようになる。先程も述べたように、意識できるようになるとそれを「悩み」として自覚でき、対策を取ることができるのです。
まとめ
今回は、僕が実際にカウンセリングを受けてみてどうだったかについてまとめてみました。
正直僕自身、カウンセリングの効果については少し懐疑的でした。ホントに効果あるの?って思ってました。
でも今なら、言えます。僕にとっては、効果はありました。(皆さんにも効果が絶対にあると、一般化することは控えます。)
何より、自己理解が深まったことが一番の収穫ではないかと思います。そしてそれが症状の緩和にも繋がっている。
さて、最後に僕の状況を話しておくと、海外就職面接はなんとか乗り越え、マレーシアの企業から内定をいただくことができました。
ただし、面接を受けたのは、カウンセリングの途中段階(ステップ3あたり)の時期でした。なのでこれは、カウンセリングの効果というより、心療内科でもらった頓服の効果が大きいかもしれません…笑。実際、面接直前にたくさんえずきましたからね。もうえずき慣れちゃったというのも大きいかと思います。
というわけで、今回の記事が、これからカウンセリングを受けようと思っている方の参考になればこれほど嬉しいことはありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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