地元に漂う古き良きライフスタイルへの違和感

今日は2023年9月1日金曜日。本来は仕事なのだが、有休を取って実家に帰ってきた。

普段は関東で働いており、実家がある東海地方の地方都市まで、深夜バスと電車を乗り継いで帰ってきたというわけだ。

実家に帰ってくるのは今年1月以来、約9ヶ月ぶりとなる。

たった9ヶ月しか経っていないのに、随分と久しぶりのような気がする。

ちなみに普段は新幹線を使ってひょいと帰って来ることが多いのだが、今回はケチって高速バスにした。

ケチ、良く言えばミニマリストの僕は3倍もの値段を払って新幹線に乗るのは割に合わないよな、と今回は判断したのだ。

さて、久々に帰ってきて、早朝で腹が減っていたので駅前のコンビニに寄った。

そこで異変に気がついた。店員がオバちゃんではないか…。もう一店舗、ローソンにも立ち寄ったのだがこちらも50代と思しきオバちゃん。

僕が普段暮らしている関東圏―もっというと神奈川県だが―ではまず見ない光景だ。

ああ、やっぱり地方からは若者が少しずつ減っていき、ひなびつつあるのだろうか。

少し寂しいような、なんとも言えない気持ちになった。

最寄り駅から実家へは、これまたタクシー代をケチり、歩いて50分ぐらいかけて帰った。

朝の7時台、残暑の日差しが暑い…。折り畳み傘で遮り、星野源のダンサブルな曲を聞いて歩いた。

途中道端から臭う、アンモニア臭。だれか、立ちションしたのケ…?

朝早かったこともあり、車通り、人通りは少なかった。とはいえ、平日の7時台。もうちょっと車がいてもおかしくないのになあ、と思った。

ここにも、地元の衰退の一端を感じた。

やっと実家に着いた。自分の部屋に入ると懐かしいニオイがする。暑いのでエアコンをつけよう。あれ、リモコンが壊れていてつかないじゃないか。電池を入れ替えてもダメだった。

仕方なく母屋から扇風機を持ってきて、生ぬるい風に当たりながらこのブログを書いている。

さて、そもそも今回唐突に実家に帰って来たのには訳がある。

祖父母から大金をもらうためである。と言っても200万ぐらいなのだが。まあ、大金か。

祖父母は僕ら孫に(僕は3人兄弟の真ん中)それぞれ、将来車でも買うときのためにと、お金を取っておいてくれたのだ。

でも、僕は車なんて買う予定は無いし、何より、10月からマレーシアに移住する。

何にも使わない大金をただ銀行預金に入れておくのはあまりにもったいないと、マネーリテラシーをいっちょ前に身に付けた僕は思ったのだ。

どうせ5年も10年も使わないのなら、インデックスファンドにでも投資しておいた方がいい、と思ったのだ。

それで、今日、僕の口座に振り込んでもらうためにわざわざ帰ってきたのだ。高齢者への詐欺が流行ってる昨今、本人がいないと、大金の振込が容易ではないらしい。

そして、明日の朝、神奈川に帰る。

いよいよ僕は、もらうものだけもらって、海外に逃亡する愛のない孫・息子だと思われそうだ。僕は家族とのコミュニケーションが希薄だから、そう受け止められても仕方はない。

もちろん、そんなつもりはない。

ただ、なんかこう、田舎に帰ってきて思ったのだ。

地元に生まれ、地元で働き、結婚して、車を買って、家を買って、というオールドグッドなライフスタイルがこの街にはこびりついている。

僕の姉と妹はすでに結婚し、実家近くの一戸建てに住んでいる。子供もいる。THE「普通」の暮らしをしている。

でも、僕はそれをしたくない。

海外の魅力に取りつかれた僕には、その、地元にこびりついたライフスタイルに反発心(ましてや嫌悪感…)すら感じる。

もっとこう、知らない世界を見て、ワクワクして暮らしたい。世界中を旅したい。そんな気持ちが僕にはある。生まれてから死ぬまでずっと地元で終わるのがあまりにもったいなく感じてしまう。

それが僕の価値観であり、地元に帰ってきて感じる違和感の原因だ。

もう、オールドグッドなライフスタイルには戻れそうもない。そんな感覚がして、両親や祖父母にはなんだか申し訳ないような気もする。

だって、家族からしてみれば、早く結婚して、子供を授かって、安定した仕事について、実家の近くで暮らしてほしいと思っているに決まっている。

実際、それを感じさせる発言も端々に見られる。でもごめんよ。今の僕はその生き方は望んでいない。

全然魅力を感じない。つまらなく感じてしまう。これは誰のせいでもない。

たまたま、そうなっただけだ。そして、僕は僕の気持ちを押し殺してまで、両親の望むような人生を歩むつもりはない。

20年以上ここで生まれ育った。

その地元に渦巻いている価値観と合わなくなってしまった。そしてそれはすこし寂しい。

でも仕方がない。

その上で、どうやって、地元や家族と付き合っていくか。縁を切るつもりはもちろん無いので、定期的に実家に顔を出すことが、さしあたり僕のできる精一杯といったところだろう。

実家、地元に染み付いたひなびた雰囲気を体にまといながら、違和感を感じながら。

寝不足で頭もボーッとしてきたのでこの辺でフェードアウトさせていただく…

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